特集記事抜粋
 

VOL.8 特集−水都−(平成13年2月発行)
■ 特集−水都−
21世紀は水際から始まった
うるわし水の都

■ Sketch of Yochino River vol.2鳴門市
■ YOSHINOGAWA NEWS
・「れいほく子ども探検隊」がやってきた
・クリーン&グリーンフェア出展
21世紀は水際から始まった
そこに行けば何か素敵な出来事がありそうな、そこに佇んでいるだけで心が和む-新町川はそんな場所だ。徳島市の中心部を流れる新町川は、両岸をしんまちボードウォーク、水際公園として整備されており、四季折々に様々な催しが行われている。

20世紀最後のこの日も、夕暮れが近付くと、人々が新町川に集まり始めた。「とくしまカウントダウン2001」の幕開けだ。まず若者たちが集まり、ダンスパフォーマンスを繰り広げる。寒さに負けるもんかと、パラソルショップの売り子が声を張り上げる。寒い寒い夜が次第にヒートアップしていく。イルミネーションが水辺を幻想的に彩る。

夜が深まるにつれ、賑わいが増して行く。いよいよカウントダウンが始まる頃には、何千という人々の熱気が最高潮に達した瞬間、歓声とともに2001個の風船が一斉に空へ放たれた。

年が明け、伝統ある相生町吹く筒煙火が盛大に新世紀を祝福する。滝のような火の粉が川面を照らす。あちこちで上がる年賀の声・・・。

徳島の21世紀は水際から始まった。人々の心にまたひとつ、美しい水都の風景が刻みこまれた。
うるわし水の都
徳島市内には138本の川が流れそこに1600を越える橋が架かっています。
市内を網の目のように流れる川は人々の暮らしに密接に結びつき、深く心に入りこんでいます。
1日として川を見ない日はなく水音を聞かない日はない-徳島はまさに「水の都」なのです。
この「水の都」を代表する景観のひとつが「ひょうたん島」です。
ネーミングもさることながら美しく整備された親水公園、パラソルショップの経営、
周遊船の運航・・・と、全国でも類を見ないものです。

昨年11月、この「ひょうたん島」でのまちづくり活動が都市環境デザイン会議主催の
「JUDI大賞」を受賞しました。
全国の大学や研究室、企業や行政などまちづくりに関する様々な分野の専門家による投票で
京都の「鴨川と納涼床」 をはじめ全国の名だたる候補を抑えて日本一に輝いたのです。

街の中では、建物に囲まれて下しか見えん。
橋の上とか川にでたら急に広ぅなるような感じがある。
ふわーっと、空が広がる感じ。
あれがええよ。みんなに知ってほしいなぁ・・・。

川が汚れとったら、みんな川を見ようとせん。
川沿いの建物もみな川に背を向けとる。
川をきれいにしたら、自然と川に目が向くようになる。
川から街を眺めたら、街のつくりも変わってくるんと違うかな。


新町川でこの人の姿を見ない日はない、と言っても過言ではありません。ゴミ拾いの先頭に立ち、イベントを仕掛け、ひょうたん島クルーズでは名ガイドぶりを発揮する「NPO法人・新町川を守る会」理事長の中村英雄さん(62歳)です。
中村さんが川の清掃を始めたのは約20年前。商店街連盟の呼びかけで、初めは年に1〜2回の掃除でした。当時の新町川はゴミや生活排水にまみれ、悪臭を放つ無惨な川になっていました。
1987年、阿波踊り期間に新町川でイカダレースを開催したものの、あまりのゴミの多さに「なんとかしなければ」と。これがきっかけとなり、1990年3月に有志十人で「新町川を守る会」を発足。メンバーで出し合ったお金でボードを買い「市民が汚した川は市民の手できれいにしよう」と川の清掃を始めました。

月2回の清掃をはじめ、沿岸の花植え、水際でのあらゆるイベント活動、ひょうたん島遊覧船の運航、最近ではアドプトプログラム吉野川にも参加・・。「なんでも楽しいにせないかん」という中村らしく、「川を美しく」はもちろん、川を楽しく気持ちのいい場所にしよう、という活動を続けてきました。

10年たった今では、会員は約250人に増え、逆にゴミの量は年々減ってきました。
川の水も見違えるほどきれいになり、十年前にはほどんどいなかった魚も戻ってきました。ゴミ拾いの成果であり、なによりも、中村さんたちの活動が市民に浸透した証でもあります。
「拾ってきれいな川より、捨てずにきれいな川にしたい」と中村さん。少しずつですが、着実に目標にちかづきつつあります。
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