特集記事抜粋
 

VOL.10 −川と共に−(平成13年12月発行)
■ 特集−川と共に−
吉野川の四季と共に藍ひとすじ
・火付きの良さは天下一品。
 県西部の財政をささえた阿波刻み
源流の森の案内人
・文化の種を蒔く
・これが私の川
・新町川と共に十年

■ YOSHINOGAWA NEWS
・アドプト・プログラム吉野川新規参加団体
・夏休み親子上流探検隊開催
・苓北の子ども達、吉野川をサイクリング
・三島小学校の児童たちが川の清掃活動
・「なかよしのかわ」写真展が開催されました
・四国のみずべ八十八カ所を募集中
吉野川の四季と共に 藍ひとすじ
■藍師 佐藤昭人さん

「ツバメが飛んで来たら種蒔き。
庭のタチアオイの一番上の花が咲いたら梅雨明け。
夏の日照りには藍をいじめんように水をやる。
わしのじいさんに教えてもろた通りに」
気象観測の確率も上がった最近だが
やっぱりその方法の方が当たっている。

藍は生きている。
藍を生かすも殺すも藍師次第。
作業を見つめる佐藤さんの目は厳しい。
だが、藍にかける言葉には
まるで子供や孫に対するような
愛情があふれている。
源流の森の案内人
■和田守さん

吉野川の源流は高知県土佐郡本川村
1800m級の石鎚山系の深い森の中にある。平成二年に瓶ケ森、西黒森山からの沢が合流する 標高約1200m地点の 常に水が流れる最上流地点が源流と定められモニュメントが設置された。 
以来、研究や調査、観光に源流を訪れる人々が増えておりそんな時に案内役を務めるのが本川村役場に勤める和田守さん(四八歳)だ。
この村で生まれ育ち、源流の森で魚を釣り、山菜やきのこを採って遊んだ、村人曰く 「山の主」 だ。
 
本川村役場から林道を車で約一時間、「源流橋」たもとの登山口から白猪谷渓谷に沿って登り始めると、五分程で原生林へ。ブナ、ミズナラ、カエデ、ヒメシャラ、トチ…圧倒される程の大樹が現れる度、和田さんが名前を教えてくれる。
「これはミズナラ。マイタケが生える木」
「これはカツラ。砂糖を焦がしたような匂いがするだろ?」和田さんの足取りは軽やかだ。山仕事用の鋲がついた足袋をはいて、足場の悪い崖もひょいひょい登っていく。大雨や台風の度に地形が変わるそうだが、幼い頃から慣れ親しんだ道なので迷うことはない。中学生の頃から一人でこの森にアメゴやイワナを釣りに来ていたと言う和田さんは、この日もそう、出発前に「山に遊びに行く」と楽しそうに話していた。
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